思い込みが心の安らぎをもたらす?かき氷とお葬式のちょっとした共通点
好きなかき氷はブルーハワイ
皆様こんにちは かなふく鈴木です。
今年も夏本番となりました。湘南海岸はたっくさんの人出でにぎわうことでしょう
ちょっとしたトリビアなんですが、かき氷って、全部の味が実は同じってことを知っていましたか? 色と香料と名づけ方に差をつけることで、それらしい味として感じられるのだそうです。
今日はそんな、思い込みと認知の効能を絡めながら、お葬式というものを考えてみたいと思います
いちごとレモンとブルーハワイが同じ味?
いちごのかき氷にはピンクのシロップがかけられます。同じように、レモンには黄色、ブルーハワイには水色のシロップがかけられます
ピンク色をしていて「これはいちご味だよ」と言われたら、誰だってこれをいちご味と感じてしまいます。黄色のレモンも、緑色のメロンもしかり。
しかも、極めつけはブルーハワイというネーミングのセンス。青色のシロップは、海や、青空や、サイダーが思いだされ、「そりゃもうこれ、ハワイだよね」と思い込んでも仕方がありません。
このかき氷マジックは、人間の思い込みと認知の習性をうまく利用しています。人間って「こういう現象が起きるだろう」という期待するものを現実化させる力があります。
たとえば、夜中に墓地に行くと、本来見えないものが見えたりします。ひらひら舞う布が幽霊に見えたりして、「あれは幽霊だ!」と認知してしまう、そういう生き物なのです。
極楽浄土も思い込み?
さて、ここから話をお葬式の方に持っていこうと思うのですが、お葬式も、思い込みや認知のための儀式だと思っています
亡くなった故人さまは、導師の導きにより、そして集まった人たちによる供養を通じて、あの世に旅立ち、仏弟子となり、極楽浄土に赴くことができる。仏式のお葬式は、こうした大前提となる下敷きの上に成り立っています。ここでいう大前提とは…
- 故人さまは亡くなったあとも生きている(旅を続ける)
- 仏さまという存在がいる
- 極楽浄土という場所がある
…というものたち。
でも、実際のところ、故人さまが亡くなったあとも生きてて旅をしているか、仏さまがいるのか、極楽浄土があるのかだなんて、誰一人としてそれを見たものはいません
ここで、思い込みが大切になってきます。思い込みとは「信じること」と言い換えてもいいと思うのですが、こうした死後の物語を信じる、思い込むことが、人々の苦しみを和らげる効果を発揮します。
人は不思議なもので、死者のその後の行方を考えざるを得ない生き物です。
「おじいちゃん、今頃どこで何をしているかな」
「先に旅立ったおばあちゃんに会えているかな」
「きちんと成仏してくれているかな」
それはきっと、大切な人との死別の苦しさ、そして死んだら人がどうなるか分からないという未知への不安の反動なのかもしれません。
極楽浄土があるとかないとかより「きっと極楽浄土に行けるんだ」という一つの答え、希望を思い込める方が、わたしたちの心をより楽にしてくれます
それは、「このいちごのかき氷、おいしいね」とあたかもそれがいちご味なのだと思い込む方が、かき氷を食べる時間そのものを楽しめちゃうのと、ものすごく似ているのです。
「虫の知らせ」は本当?
日々、お葬式のお手伝いをしていますと、たくさんの方から「虫の知らせ」についての話を聞きます
「おじいちゃんのこと想っていると、次の日亡くなったという知らせが来た」
「なんとなく母に電話したら出ずに、その時間に息を引き取っていた」
本当に、こういうエピソードってたくさんあるんです。
心理学者のユングという人は「集合的無意識」というものを提唱しています
ぼくたちの意識の下には、無意識という領域があって、この無意識は自分のものだけでなく、心の奥深くで他の人ともつながりあっている、というもの。そして、それが形となって表れるのが「シンクロニシティ」という概念
何の関係もなさそうな出来事が、偶然とは思えない形で起きる現象のことで、心理学の世界では「意味のある偶然の一致」とも言われます。
さっきの「虫の知らせ」ももちろんですが、シンクロニシティは、なにも生死の現場だけに見られるものではありません。
- 会いたい会いたいと思っていた相手に、偶然街中で会った
- ふとしたご縁が人生を動かしてくれた
- たまたま手に取った本に、悩みの解決策が書いてあった
こうしたシンクロニシティ的な現象を、ただの偶然だと受け取る人もいれば、何かのメッセージだと思い込む人もいるでしょう。その受け取り方は人それぞれですが、後者の方がきっとさまざまなことをポジティブに捉えられるようになるでしょう。
もしも「虫の知らせ」が本当に亡き人からのメッセージだったならば、それはあなたと亡き人が潜在意識の中でつながっていることに他なりません
人はつながりを求める生き物ですし、そのつながりを再確認するためにお葬式があるわけです。
信じるも信じないも人次第。でも、信じた方が、思い込んだ方が、相手も自分も幸せになる。そういうことも、またあるのではないかと思います
本日も最後までお読み頂き誠にありがとうございました 。
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葬儀のかなふく 株式会社神奈川福祉葬祭
代表取締役 鈴木隆