心理カウンセラーの葬儀屋さんが大切にする「理解」の力

皆様こんにちは 葬儀のかなふく鈴木です。
日々お葬式に携わる中で、「共感」ということばを大切にしています。
ご遺族の気持ちに寄り添い、心に寄り添うこと。それは、葬儀屋さんとしての目に見えないとっても大事な仕事なんです
でも、すべての人に共感することは、正直むずかしいものです。でも、そこで大事になってくるのが「理解」という姿勢です。
この記事では、心理カウンセラーの葬儀屋さんであるかなふく鈴木が、共感と理解について普段考えていることをお話しいたします。
共感できなくても理解はできる
お葬式のお客様にも、いろんな方がおられます
「正直、亡くなったことがまだ受け止められない」
「何も考えたくない、考えられない」
「悲しい気持ちになれない自分は非情なのだろうか」
このような声を聞くことも少なくありません。
共感というのは、気持ちがピタッと重なること。でも、それって、実はすごくむずかしいことなんです
ぼくも、たくさんのご遺族と向き合ってきましたが、100%すべての気持ちに寄り添えるわけではありません。
なぜなら、人それぞれ、歩んできた人生も、考え方や感じ方、置かれている状況も違うから。
だからこそ、ぼくが大切にしているのは「理解」です。
共感とは、感情で生まれるもの。
理解とは、想像力や思考の力で生まれるもの。
共感できない人に対しても、想像や思考の力で、その人のことを理解することは可能です
たとえば、親を亡くした人が「お葬式なんてしなくてもいい」と、考えているとします。
かなふく鈴木は葬儀屋さんですから、できたらお葬式をしてほしいと考えますし、葬儀屋さんという立場を抜きにしても、きちんとお葬式をする方が、その人にとっても社会全体にとってもいいはずだと確信しています。
でももしかしたら、その人は親との間にいろいろなことがあったのかもしれないし、血縁だからこその憎悪を持っているのかもしれません。
この場合、「お葬式をしてあげよう」という気持ちに、なかなかなれないことは理解できます。
このように、想像を働かせることで、相手が置かれている状況を理解できるのです
中には、お葬式の打ち合わせの時に、気持ちが動かない状態で、何も決められずに時間だけが過ぎていくこともあります。
お葬式を前に進められないのは葬儀屋さんとしては焦ってしまいますが、でもまずは「何も考えられない」というご遺族の気持ちを受け止めることが大切です。
「どうしてこんな態度を取るんだろう?」と感じたとき、すぐに否定するのではなく、「その人の背景には何があるんだろう?」と考えてみる。この理解のプロセスこそが、人との、お客様との関係を深める第一歩です。

脳の「システム1」と「システム2」
ぼくは、どちらかというと直感で物事を判断するタイプです
「好きか嫌いか」「やるかやらないか」
パッと決められる性格なので、それが自分の長所でもあり、短所でもあります。
だけど、世の中には「じっくり考えたい」という人もいるし、「即決は苦手」という人もいますよね。
心理学に「二重過程理論」という考え方があります。人が物事を考えるときには、
- システム1(直感的思考)……瞬時に判断する、感覚的な思考
- システム2(熟慮的思考)……じっくり考え、慎重に決める思考
という2段階の思考プロセスを踏むのです。
ほとんどの場面では、システム1の「直感」で動きます。人間にとって、考えるよりも感じるほうがラクだから
でも、相手としっかり深く向き合うにはシステム2の「熟慮」が不可欠です。
たとえば、あるお客様が「お坊さんを呼びたくない」と言ったとします。このことばに対して「最近はそういう人も多いよね」だけで終わらせるのか、それとも「何か理由があるのかもしれない」と考えてみるのか。
ほんの少しでも、想像を働かせることが、その人の背景や想いに気づくきっかけになり、お客様を理解することが、よきお葬式の提案へとつながります。
「自分にはわからない」ことを受け入れる
「自分にはその感覚がわからない・・・」
これって、実はすごく大事なことなんじゃないかと思うんです。
「わからない」と思うことは、決して悪いことじゃない。わからないからこそ、知ろうとする。そして知ろうとすることで、その人との関係が深まる。共感できなくても、理解しようと努めることが大切なんです
ぼくは、葬儀屋さんであると同時に、心理カウンセラーの資格も持っています。
100人中100人の気持ちに共感するのはむずかしいけれど、99人までは理解できるようがんばりたい。そんな想いから、心理学を学んでいます。
すべての人に対して共感できるわけじゃない。でも、理解しようと努めることは、誰にでもできる。
「この人はなぜ、こう思うのだろう?」
「この人はなぜ、こう感じるのだろう?」
想像すること。問いかけること。考えること。これらが理解につながります。葬儀屋さんとして、人として、とても大切なことなんじゃないかなと思うのです。
今日は、少し抽象的なお話になりましたが、ぼくはいつも、こんなことを考えながら、お客様と向き合っています。
100人全員に共感するのはむずかしいかもしれません。でも、理解しようとすることは、誰にでもできる。
ひとつひとつの出会いを大切にしながら、これからもお手伝いをしていきたいと思います

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました
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葬儀のかなふく (株式会社神奈川福祉葬祭)
代表取締役 鈴木隆