お彼岸は、死者や先祖を想い、自身の生き方を見つめる日
皆様こんにちは
好きな和菓子はおはぎとぼたもち かなふく鈴木です
この記事を書いているのは9月15日。
暑さ寒さも彼岸までと言いますが、日差しこそまだまだ厳しいものの、街を吹く風にはどことなく秋を感じるようになってきました
お彼岸と言えば、お盆に並ぶ死者供養の行事ですが、今日はこのお彼岸についてお話をさせていただきます。
お彼岸とは
お彼岸は、春と秋とで年に2回あります。
それぞれ春分と秋分を中心とした7日間のことを指します
春分と秋分は、太陽が真東から昇って真西に沈む日。
つまり、昼と夜の時間が均等になる日であり、それは季節の移り変わりを意味します
春分を迎えることで冬から春へ、秋分を迎えることで夏から秋へと季節が移ろっていきます
この季節の変わり目を大切に考えたのが日本人
春のお彼岸ではあたたかい季節の到来を、そして秋のお彼岸では作物の収穫を、それぞれ仏さまやご先祖さまに対して感謝したのだと思います
お彼岸は、自然とともに、ご先祖さまとともに暮らす、なんとも日本人らしい文化ですよね
六波羅蜜の修行を積む日
季節の変わり目である春分や秋分に、やがて仏教的な解釈が加わります
仏教は、より善く生きるための教え
そしてより善く生きるための6つの修行が「六波羅蜜」です。
春分と秋分を中心にした前後3日間、合計7日間を修行の期間として、こうして、いまのお彼岸文化ができあがります
六波羅蜜の6つの修行は次の通りです。むずかしいことばが並ぶので、かなふく鈴木なりに、大好物の「からあげクン」を例に、分かりやすい解釈をお付けします。
1)布施
分けあたえること。お金も、知恵も、いいアイデアも、独り占めせずにみんなに分け与えましょうという教え。たとえば「からあげクン」6個をひとりで食べずにみんなでどうぞと分けることで、自分もけちんぼにならなくて済みますし、周りの人たちも喜んでくれます。
2)持戒
戒律を守ること。本来の修行者は、戒律という決まり事を守らなければなりません。私たち一般の人たちの場合は、人との約束を守ることで、誠実で、信頼に基づく関係が築けます。「からあげクン、みんなで分けようね」と言ったからには、必ずそうしましょう。
3)忍辱
耐え忍ぶこと。文字通り、我慢強くどんなことも柔軟に受け入れられるようになることで、気の長い、懐の広い人間になれます。短気は損気!からあげクンが売り切れだったとしても「まあ、そんな日もあるよね、アハハ」と過ごせるほうが幸せです。
4)精進
努力すること。どんなに年を重ねても、常に刀を研ぎ続けて研鑽し続けることが大切ですよね。かなふく鈴木も、今年52歳になっちゃいますが、日々精進を怠りません!「からあげクン買っちゃったけど、これ食べたら太るから、みんなでどうぞ」と言える境地になりたいものです。
5)禅定
精神を統一させること。どんなことにも動じない心を持つことはものすごーーーくむずかしいことなのですが、1から4の修行を毎日少しずつでも積んでいくことで、心を安定させられるようになるかもしれません。おなかが空いても、からあげクンに惑わされないぞ!
6)智慧
悟りの完成。1から4の修行を積み、5を磨き続けることで、最後は悟りの境地にまでいけるのだそうです。「からあげクンは美味しいけれど、食べても食べなくても、私は生きていける」という感じなのでしょうか。
こんな感じの修行を1日ずつ行うのがお彼岸なのだそうです。私たち凡人は、なにも一週間有給休暇とったり会社を臨時休業にしなくとも、日々の暮らしの中で、「ああ、今日は周りの人たちへのおすそ分けをしてみよう(布施)」とか、「ああ、今日はいやなことがあってもグッと我慢してみよう(忍辱)」などと意識するだけで、充分修行になるのではないでしょうか
「彼岸」には、川が流れている
彼岸とは、「向こう岸」という意味です。
ということは、そこには当然「こちら岸」と、その間を流れる「川」が存在しています
どうして春分、秋分を中心とした修業期間を「彼岸」と呼ぶのでしょうか
彼岸とは、「あちらの世界」「悟りの世界」「死後の世界」という風に捉えられています。
つまり川を挟んだ「こちらの世界」は、「煩悩の世界」であり「生者の世界」なのです。
実際に、亡くなった方は三途の川を渡ると言いますよね
川はこちらとあちらの境界であり、私たちの住むこの世界から、仏さまの世界や亡き人の世界に想いを偲ばせましょう、というのがお彼岸なのです
そういう意味では、日本のお彼岸にはふたつの意味があり、日本仏教の特徴をよく表しています。つまり、
- 死者や先祖の供養の期間
- 善く生きるための修行の期間
…ということです。お寺の役割は、ひとつには葬儀や法事で亡き人の弔い。もうひとつは、修行や祈祷や坐禅や法話など、わたしたちが善く生きるための指南があります。
その両方を、一週間まるごと体感しましょうね、というのがお彼岸なのです
季節の変わり目に、死者や先祖を想い、自身の生き方を見つめる。なんとも日本人らしい素晴らしい文化ではないでしょうか
おはぎとぼたもちのお話
ちなみに、お彼岸のお供え物といえばからあげクンではなくて「ぼたもち」と「おはぎ」
同じ和菓子ですが、春は牡丹の花にちなんで「ぼたもち」、秋は萩の花にちなんで「おはぎ」です
この違い、ご存じですか
それぞれもち米をあんこで包む食べ物ですが、秋のおはぎはつぶあん、春のぼたもちはこしあん、ここに違いがあります。
あずきの収穫は秋
とれたてのあずきは鮮度もいいですから、柔らかい皮も一緒につぶしてあんこを作るからつぶあんになります。
一方、冬を越すとあずきの皮は硬くなってしまうため、あずきの皮をむいてあんこを作ります。これが春のぼたもちがこしあんで包まれる理由です。
お餅も小豆も、ともに神聖な食べ物として古くから神仏のお供え物に用いられてきました。
このような伝統的な文化やしきたりに触れてみる事で故人様やご先祖様との繋がりがより身近なものに感じられますよ
本日も最後までお読み頂き誠にありがとうございました 。
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