通夜なき一日葬を考える。”寝ずの番”もすばらしいんだぞ!
こんにちは
中島らもさんの『寝ずの番』を読んで、腹を抱えて笑うかなふく鈴木です
寝ずの番とは、お通夜の際に、お線香が絶えないように夜通し見張りをすることです。
お線香が消えそうになったら、家族の誰かが新たにお線香の火をつけます
煙を絶やさないことで故人さまを悪鬼から守るのはもちろん、その時間に家族や親戚間で交わされる故人さまとの思い出話こそが、弔いをするうえでは欠かせません。
ところが最近では一日葬が増えており、それに伴って寝ずの番の光景もあまり見られなくなってきました
この記事では、お通夜をしない一日葬について、そして”寝ずの番”についてお話いたします
お通夜は、親族以外の人の弔問の場
まずはお通夜について、そして一日葬について、簡単に解説しますね
通夜式は、親族以外の方々の弔問の場としても行われていました。
会社関係の人、ご近所の方々、日中の葬儀・告別式は仕事や学校で参列できない代わりに、前日の夕方から開催される通夜式に足を運んで、故人様との最期のお別れをするのです
昨今では、家族葬が増えていて、そもそも会社関係やご近所さんの参列が見られなくなり、お通夜の必要性がなくなっていったのです。
こうして生まれてきたのが一日葬です。
夜通し故人さまに寄り添うことの意義
時代を更ににひと昔前までさかのぼってみると、通夜とは通夜式と呼ばれるセレモニーのことではなく文字通り、夜通し故人さまに付き添うことを意味しました
葬儀までの間、故人さまの身体を悪鬼から守るためにお線香を絶やさず番をする、いわゆる「寝ずの番」です
家族みんなでお線香を守りながら、食べ物をつまみ、飲み物を口に含み、故人さまとの思い出話を交わすのが、寝ずの番の醍醐味と言えるでしょう
故人の供養は「忘れないこと」「思い出すこと」と言いますが、通夜の中で語られる故人の思い出話は、まさに供養そのものなのです
中島らも『寝ずの番』に見る、お葬式の”緊張と緩和”
ところでみなさん、故中島らもさんの『寝ずの番』という小説をご存じでしょうか
映画化もされた名作で、かなふく鈴木も腹を抱えて笑いながら読み進めました
話はなんてことはありません。
上方落語の一門の師匠が亡くなり、寝ずの番をしながら夜通し酒を飲んでは思い出話に花を咲かせるという、ただそれだけの短編小説です
亡くなった人も落語家。寝ずの番をするのも落語家。
笑いの世界に生きた師匠ですから、おもしろいエピソードに事欠きませんし、その思い出話をするのもプロの噺家さんたちですから、面白く語りながら、夜が更けていく。
設定がすばらしく秀逸ですよね
少しお下品な箇所もありますが、お通夜という文化のすばらしさをエンタメとして表現している名作なので、ぜひとも読んでみてほしいです
最近では、一日葬を選ぶ人も増え、通夜式を執り行っても故人に寄り添わずに帰宅するという人も少なくありません
寝ずの番はもはやノスタルジー化しつつあります
しかし、お葬式には、厳かさやしめやかさと同時に、笑いの要素も大切で、古くからお葬式の中には笑いの側面が含まれていました。
この本質も落語理論である「緊張と緩和」(落語家の故桂枝雀さんが提唱された)で説明できます。
これってお葬式でも一緒じゃないか と、かなふく鈴木は思います。
どういうことかと言いますと、お葬式の中には、通夜式や告別式と言った厳粛なセレモニーだけでなく、食事やお酒や寝ずの番といった緊張から解放される時間もあるじゃないですか。。。
人間だってまじめな部分もあればおふざけな部分もあって、緊張の時間と緩和の時間が交互にあることで、故人さまをよりしっかりと送り出せるのではと思うのです
告別式を明日に控えた最後の夜を、故人さまを囲みながら家族と過ごす。実は形式的なセレモニーよりもこうした時間に交わされる会話や情景こそが、長く記憶に定着するものです。昔ながらのしきたりも、捨てたものじゃないんです
一日葬でも故人さまに寄り添うことはできる
通夜とは、通夜式のことではなく、夜通し故人さまに付き添うことです
こう考えると、一日葬でも寝ずの番はできなくはありません
そう ご利用になる斎場のルールが許せば、葬儀ギリギリまで自宅にご安置しておくのです。
葬儀会館への出発を告別式当日にすることで、少しでも長い時間、故人さまに寄り添うことができます
もちろん、直葬の場合も同様です。直前まで故人さまが自宅にいてもらうことで、最後のお別れの時間をたっぷり確保できます
もしもご自宅にご安置できない、でも最後の夜を共に過ごしたいとお考えの方は、相模原近郊の宿泊可能な会館をご紹介しますので、かなふく鈴木にご遠慮なくご相談下さいね
古代の日本では「殯(もがり)」と言って、葬儀とは寄り添うことそのものでした
朽ちていくご遺体に何日も寄り添うことで、時間をかけて故人の死を受け止め、送り出していたのです。
人が集まれば、それだけでお葬式はできます
どうぞみなさんも、葬儀の簡略化、縮小化といったトレンドに流されることなく、どういうお葬式だと納得できるかを、ご自身の頭で考えてほしいと思います
そして分からないことがあれば、かなふく鈴木までご相談ください。お客様の想いに寄り添って、一緒に考えていきたいと思います
本日も最後までお読み頂き誠にありがとうございました
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葬儀のかなふく 株式会社神奈川福祉葬祭
代表取締役 鈴木隆