家族葬なのに家族以外の人も参列していいの?
家族葬が主流となった現代のお葬式
しかし家族葬だからといって、家族や親族以外の人が来てはいけない、というわけではありません。
実際に、つい最近かなふくでお手伝いさせていただいたいお葬式でも、家族葬の予定だったものが、結果的にたくさんの参列者に来ていただきました
この記事では、家族葬における参列について、どこまでの人に声をかけるべきなのか、そして家族葬に参列する際のマナーや配慮などについて考えてみたいと思います。
家族葬はどこまでの人が来ていいの?
家族葬とは、小規模なお葬式のことを分かりやすく表現した呼び方のことです。
ですから、家族葬だから家族しか来ちゃダメ、ということはありません
どこまでの人に声をかけるべきか、そして声をかけられた側は参列すべきか控えるべきか、このあたりは個々の判断にゆだねられています。
ただ、いろんなお葬式を見てきて分かるのは、家族葬にもいくつかのパターンがあるということです
(1)家族だけの参列
親子や祖父母、孫など、直系血族だけのこじんまりしたお葬式。
(2)家族と親族が参列
直系血族(1)に加えて傍系の親族も参列する。故人や遺族の兄弟姉妹やその家族。
(3)親族以外の縁故者も参列
家族(1)や親族(2)に加えて、友人、知人、ご近所さまなど、故人さまが特に仲良くしていた方に参列してもらう。
お葬式は、生前の交友関係が反映されますから、人によって、ご縁のつながりによってどこまでの人が参列するかは、実にさまざまなのです。
家族だけの一日葬に、70人もの参列者⁉
つい先日、かなふくでお葬式のお手伝いをさせていただいたAさま。
家族10名程度の一日葬をご用命いただきました
相模原市営斎場の小式場を押さえて、葬儀プランにもご満足いただき、会場設営もきちんと整え、万全の状態で迎えた当日。開式時間が近づくにつれて、あれよあれよとたくさんの人が来場します
「あれれれ?」
10名程度の家族葬ということなのですが、なんと、70名近くの方がお集まりになったのです
「鈴木さん、ごめんなさい。まさかこんなことになるなんて。どうしましょう」とうろたえる喪主さまに対して、わたしは「いいじゃないですか。みなさんに最後のお別れをしてもらいましょう。みなさまの誘導はぼくにお任せください!」とお伝えしました
なぜこんなことが起きてしまったのか。それは、ご家族の方も知らなかった、故人さまの人徳に他なりません
参列者はすべて故人さまが生前勤めておられた会社関係の方々。故人さまは生前総務部に勤められていたこともあり、部署をまたいでたくさんの方とのつながりがあったのです。
もともとは各部署の代表者だけの参列だったそうですけど、
「Aさんにはとてもお世話になったから」
「Aさんに、手を合わせたい」
「最後に一目だけ顔を見たい」
…などと、多くの方の「お別れをしたい」という切なる想いを止めることは、代表者の方々でもできなかったそうです。
余りの人数の多さに、式場の中に納まりきらず、お焼香までロビーでお待ちいただきました。
そして仲のよかったご友人はギターを持って来られ、「これを告別式の中で演奏できますか?」との申し出。お坊さんのお経のあとに、ご尊前にて演奏をしてもらいました。
予想外の事態に喪主さまやご遺族さまは困惑したのか、というとまったくそんなことはありません。むしろ逆でした。
「鈴木さん。主人がたくさんの方に慕われていたことを今日はじめて知りました」と、喪主さまは、とても誇らしげに喜ばれ、参列者の方々に深く深く感謝されていました。
参列することの意義
お葬式って、亡き人のためでもあり、自分たちのためでもあり、そして故人さまや自分たちを囲むようにいてくれている周囲の人たちのためでもあるんですよね
お葬式の方針を決めるのは喪主さまの務めです。
ですから、家族葬にするか、お世話になった人に声をかけるか、最終的には喪主さまが決めて構いません。
でもその時に、「だれのために、何のためにお葬式をするのか」という視点を忘れずに持ってほしいのです
たしかに家族葬にすることで、喪主も遺族も、負担が少なく済みます。
でも故人さまは生前にたくさんの方とのご縁の中で一生懸命生きて来られたわけです。
そんな方々に対して最後のお別れの場を設けることもまた、喪主さまの大切な役目であるとも言えるのです
自分目線ももちろん大切ですが、まわりの人たちの目線、そして何より、故人さんの目線に立って、イマジネーションをフルに働かせて、お葬式の最適解を導き出してほしいと思いますし、その相談相手として、私たち葬儀社がいます。
そう思うと、参列者を限定してしまうのが家族葬ですが、周囲の方々の参列には、とても大きな意義がありますよね。
「会いたい」「顔を見たい」「お別れを言いたい」
家族、友だち、恋人、仲間。人は親しい人とリアルに会って、コミュニケーションしたいんです。つながりたいんです
それは相手が亡き人でも同じ。お葬式とは、大切な方とのつながりを再確認して、そして最後のお別れを伝えるための場所なんです。
かなふく鈴木の反省点。
最後に、このたびのお葬式に関するかなふく鈴木の反省点もお話ししておきます
Aさまのお葬式の参列人数を予想できなかったのは、私の能力不足だったと思います。
その点は、反省材料として真摯に受け止めます
予想をはるかに上回る方々がお越しいただいたことで、ロビーに人があふれてしまい、充分な座席が用意できませんでした。
また、返礼品も余裕を持って準備していたにも関わらず数が足りませんでした(お渡しできなかった方々には後日お届けする形で対応いたしました)。
また、このたびは一日葬という形で行ったため、告別式当日に参列が集中しましたが、だからこそお通夜の重要性を改めて痛感させられました。
お通夜があることで参列者も分散できたでしょうし、時間的な余裕を持って参列を受け入れられます
一日葬だと直後に出棺が控えていて、時間的な余裕がないのです。
こうした反省点を次に活かしながら、お客様にとって広い意味での最適解を導き出せるよう、これからも頑張って参ります
本日も最後までお読み頂き誠にありがとうございました
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葬儀のかなふく 株式会社神奈川福祉葬祭
代表取締役 鈴木隆