じつは破天荒なお坊さんだった一休さんの魅力
アニメ大好き
かなふく鈴木です
子どものころから大人になったいまでも、数々のマンガやアニメを愛していますが、『一休さん』もそのうちのひとつです
愛くるしくも頓智の効いた一休さん。橋のたもとに立てられた「このはし渡るべからず」という看板を見て、端ではなく真ん中を堂々と歩く一休さんの姿に、多くの子どもたちが「おお!」「これはすごい!」と歓声をあげたのではないでしょうか
しかしそんな一休さん。モデルとなった実在のお坊さん・一休宗純は、アニメの小坊主とは程遠い、破天荒な方だったとして知られています。
ということで、この記事では一休宗純の魅力をご紹介いたします。
一休宗純とは
一休宗純といえば、とにかく破天荒で、常識が通じない僧侶でありながら、徹底した反骨精神に、多くの弟子や信者が集まった、魅力たっぷりなお坊さんです
生まれは1394年、南北朝の動乱が終わったばかりの頃です。当時権勢を誇っていた将軍・足利尊氏は北朝を重視していましたが、一休のお母さんは南朝系の人で、どんな政争に巻き込まれるか分かりません。わが子の身の危険を感じたお母さんは、わずか6歳でわが子を安国寺に入れることとなります。テレビアニメでは、お寺で修行中の小坊主として一休さんが描かれていますが、まさにこのころを舞台としているのです
実在の一休は、とてもまじめで、ストイックでありつつも、相当な風変りだったそうです。禅宗の教えは、常識や世間の先入観にとらわれることなく、ありのままの事象を見つめることを大事にしていますが、それを貫き、行き過ぎたのが一休とも言えるでしょう。
そんな一休の生きざまを、さまざまなエピソードと絡めてご紹介していきます。
権威や名声が大嫌い
一休さんは、カラスの声を聞いて悟りを開いたと言われています。そして悟りを開いた僧侶は師匠から「印可」と呼ばれる証書をもらうのですが、なんと一休は、これをいらないと拒否します
当時のお寺は社会の中でも大きな影響力を持っていましたから、「印可」というお墨付きをもらうことはそれだけで社会的な地位が確約されるものでした
しかし一休は、権威の象徴である印可は、禅の道を進む上では邪魔にしかならないと考え、これを拒んだのでしょう。
刀と骸骨を持って街ブラ⁉
一休の有名なエピソードに、大太刀や骸骨をひっさげて街をブラブラしたというものがあります。
お坊さんって、暴力なんてしちゃいけないですし、亡くなった方をねんごろに供養するのがお仕事だと思いますよね。
なのに一休は、人を斬るための刀を持ち歩き(しかも大太刀!)、さらには亡くなった方の骸骨を杖の先にひっかけて街ブラをしちゃう(しかもお正月に )ようなお坊さん。完全に、常軌を逸していますよね
でもこれって、とっても奥の深いエピソードがあって、「どうして刀を持っているのですか?」と聞かれた一休は、こう答えたそうです。
これは木剣であり、人を斬ることができない無用の長物です。これと同じように、世間にはびこる僧侶も見かけ倒しで、何の役にも立ちません。
なんという反骨心、パンクス魂。一休の奇抜な行動は、当時の庶民たちからありがたがられる存在だった僧侶の欺瞞を突く、鋭い風刺だったわけです
さらに、お正月というおめでたい日に、杖の先に骸骨を乗せて闊歩するという奇態に出た一休さんは「いまはめでたいけれど、いつかはだれもが死んで亡くなるよ」と吹いたそうです
やってることは破天荒でも、その意味するところは真実を突いている、これこそが一休の魅力です
お酒や恋愛…風狂の僧侶
お坊さんには、戒律という守るべき決まりごとがあります。お酒を飲んじゃいけないし、女性と恋愛してもいけない
でも、一休は平然とこれらをやってのけてしまうんです。肉食飲酒、女犯男色。ただ不思議なことに一休は、戒律を破ってしまう「破戒僧」というネガティブなイメージではなく、常軌を逸しつつも悟りの境地に達している「風狂僧」として評価されています
それは、戒律すらも人が作った都合の良いものであり、肉を食べる、酒を呑む、男女を愛すという、人としてのありのままの境涯を生きようとした、一休の「芯」や「軸」のようなものが垣間見えたからなのかもしれません
実際に、当時の仏教界でも、表向きは戒律を守っているとしたものの、裏ではお酒を飲んだり、恋愛をするお坊さんもたくさんいたとかいないとか。そんな世相の中にあって、一休は権力の欺瞞を突き、自己否定、自己批判のままに力強く生きたのでした。
とんち話で有名な小坊主の一休さんも、愛くるしい顔で将軍さまの矛盾を突く、その姿こそが痛快なのです
一休の死後200年経った江戸時代に大流行した『一休噺』、これをベースにして作られたのがアニメ作品の『一休さん』です。時代を超えて愛される一休宗純。その魅力はいまもなお色褪せませんね
本日も最後までお読み頂き誠にありがとうございました
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