食べ物が蘇らせる、亡き人との思い出
好きな食べ物はバニラアイス
皆様こんにちは かなふく鈴木です。
今年も食欲の秋がやって来ました。栗、さつまいも、きのこ、梨、秋刀魚…こういった文字を並べてみるだけで秋を感じますよね
そして、食べ物ってただおなかを満たして栄養補給してくれるだけでなくて、お皿に乗った料理、その匂いや味が、懐かしい思い出やエピソードを蘇らせてくれますよね。
食べ物と亡き人との思い出について、綴ってみようかと思います。
ばあちゃんの赤飯
ぼくにとって忘れられない味のひとつが、ばあちゃんが作ってくれた赤飯です
赤飯って、なにか特別なお祝い事の時に食べるイメージがありますが、ばあちゃんは日常的に赤飯を作ってくれていました。
もちもちとした食感、もち米の甘味、小豆のほんのりとした渋さ、そしてゴマ塩の塩っけ。素朴なんですけど、どこか深みのある味わいがとっても大好きでした
ぼくは食卓に立つことのほとんどない人間なのですが、たまにお店で赤飯を買っても、ばあちゃんの赤飯と同じ味のものがなかなか見つかりません。
味って不思議なものです。ばあちゃんの赤飯のおいしさは、ばあちゃんの手際や調味料の配合などが関係しているかもしれませんが、それに加えて、ばあちゃんとの思い出や、彼女が赤飯に込めた想いが、特別な味を生み出しているのかもしれません。
ばあちゃんの赤飯の味は、「隆、お赤飯作ってきたから食べなよ」と笑顔で孫に話しかけるやさしさの記憶とワンセットなんですよね
食べ物そのものだけでなく、その背景にある物語や想いが、私たちにとっての本当の「味」を作り上げている。
そういう意味では、思い出深い味というのはなかなか再現が難しいもので。
父のもつ煮
一方で、思い出の味をより近く再現できることもあります
私の父は13年前に他界しました。町工場一筋だった父の得意料理がもつ煮
これがとっても美味しかったんです
父はもつ煮が得意で、よくビールのあてにするために作ってくれていました。
味噌ベースのもつ煮が美味しくて、ぼくたち家族もそれをつついては「おいしい、おいしい」とほくほく食べていたのを思い出します。
寒い冬の日に特に美味しくて、家族で囲む食卓が温もりで満たされる、そんなことも思い出します。
今では、時たま嫁ちゃん(ぼくの妻)がもつ煮を作ってくれます。それがまあ父の作ってくれたのとそっくり
ぼくの覚えている父のもつ煮の味に少しずつ寄っていったのでしょうね。
「もうちょっと味噌を多めで」
「もうちょっと煮込んだ方がいいかな」
そんなリクエストくりかえすことで、嫁ちゃんのもつ煮が父の味を再現してくれるようになったんだと思います。
とってもありがたい
もつ煮を食べて思い出すのは、味だけじゃないんですよね。
父が台所に立った時の後ろ姿、鍋でぐつぐつ煮立つときの香り、そういうのが思い出されると、どんどん父の記憶がよみがえってきます。
いわゆる「昭和の仕事人」だった父。寡黙でしたが、仕事にはとってもまじめで「人に使われるな」「自分の商品を持て」「自分で仕事をするなら、親の死に目には会えないと思え」などの教訓は、いまでもぼくの中に刻み込まれています。
嫁ちゃんのもつ煮を食べると、たまに父のこうした教訓が蘇ってきます。
味覚というものが持つ、不思議な力なのでしょうね。
葬儀屋さんの日々の食事
ぼくの夕食は、一日一食、ばんごはんだけです
朝昼はほとんど食べず、その代わり、ばんごはんは食べたいものを食べたい分だけ食べることにしています
夕方になると、嫁ちゃんとふたりでスーパーに行き、それぞれ好きな惣菜を選びます。
白飯をあまり食べず、サラダやゆで卵、メンチカツといった簡単なものが好きみたいです
こうしてみると、ぼくって食べ物への欲がほとんどないんですよね。
食べ物の好みや体質も、年齢とともに変わっていきます。若い頃は季節の味覚を楽しんでいましたが、最近は欲の質が変わってきたように感じます。
「最後の晩餐として何を食べたいか」と問われたら、昔ならば、いろんなご馳走が思い浮かんだかもしれません。
でも今だと「水一杯で十分」と答えるかもしれませんね
若い頃の「食欲」というのは自己欲求に根差したものが多いのですが、歳を重ねるごとに、他者への貢献や思いやりに向けた欲求が強くなっていく気がします。
というのは格好つけすぎかな(笑)単に食べたいものを食べたいという欲求が減退しているのかもしれません。
そんな中で一つ変わらないものがあるとしたら、バニラアイスです。特に森永のMOWのバニラアイスは、シンプルで飽きが来ない定番の味
いろんな味のバリエーションがありますが、かなふく鈴木はスタンダードなバニラ味をこよなく愛しています
バニラアイスを食べると、なぜか心が落ち着きます。それはきっと子どもの頃に親と一緒に食べた思い出や、昔の友人と過ごしたひとときが頭をよぎるからかもしれません。
食べ物というのは、単なる栄養補給の手段だけではなく、きっとぼくたちの人生に刻まれた大切な思い出を引き出す扉でもあるんですね。
今回はとりとめのないお話でしたが、最後までお読み頂き誠にありがとうございました
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葬儀のかなふく 株式会社神奈川福祉葬祭
代表取締役 鈴木隆